今年は東北地方や北海道だけでなく、全国的にクマによる被害がほぼ毎日のようにニュースになっていますね。
ここ、木之本も他人事ではなく、クマの目撃情報が続いています。
11月18日には木之本町田部で、翌19日には高月町高野で目撃情報が報告されました。
田上山砦の会では、月に一度、木之本町の裏山でもある山城・田上山の整備を行なっています。11月19日は、今年最後の山城の整備でしたが、クマに細心の注意を払いながら田上山の作業を行いました。集合場所でもある意富布良神社(おほふらじんじゃ)では、木々の色づきがだいぶ進んでとても綺麗な紅葉が見られました。
クマ対策で一番重要なのは、クマに遭わないことですね。
基本的にクマは自分からわざわざ人間に近寄ってくる動物ではありません。
特に4名以上のグループであれば事故に遭う確率がグッと減ることは、カナダやアメリカの事例からも多く報告されています。
しかし、人間に一度接触してしまったクマは不確定要素が多く、今までの常識が通用しないことも多々あります。
特に人間のところに餌があると覚えてしまったクマは危険だと言われています。
田上山は広葉樹が多く、元々ドングリや木の実などクマの餌になる木も多く生えている場所なのですが、やはり今年は木の実が不作なのでしょうか。
そのドングリがほとんど見当たりません。
きっとクマも餌を探して、例年以上にウロウロ探し回っているのでしょう。
田上山の手前に上宮(かんのみや)と呼ばれる場所があるのですが、そこで最初のクマの爪痕を発見!
爪痕は、木に登るためにつけたか、または縄張りを示すためのマーキングと言われていますが、まだ数日以内と思われる新しいものでした。
その後、田上山の頂上付近でも複数の爪痕が見られました。
砦の会のメンバーの皆さんによると、例年は爪痕を見たことがないということなので、やはりドングリなどの餌の不作によって、行動範囲が広がり、人間の住むエリアの近くまで姿を現しているのだと思われます。
クマも冬眠に向けて必死なので仕方ないことなのですが。。。
田上山、とても素敵な山城です。
歴史好きな方にとっては、とても興味深い場所だと思いますし、木之本から気軽に登れる家族でのハイキングにはピッタリのコースだと思います。
しかし今年は、クマが意外と身近なところにまで来ていることがわかりました。
細心の注意を払い、最新の情報を持って楽しんでください。
・各自治体でクマ情報を持っていますので、確認しましょう。
・必ずグループで行動する。
・朝晩を避ける。(早朝や夕方はクマなどの野生動物の行動時間帯です。)
・クマ鈴をつけたり、話をしたり、大声を出したり、早めに人間がいることを教えてあげましょう。
・足元ばかり見ず、前方や周囲をよく見ながら行動すること。
・近くにいる場合は、風向きによって獣臭がしてきます。嗅覚も働かせてください。
・新しいクマの痕跡(特にふん、足跡など)を見つけたら、先に進まず引き返してください。
・見かけた時は決して近づかず、距離を取りながら速やかに離れてください。
・万が一、クマが近づいてきた場合、大声を出さず、ゆっくりと後退り。静かに話しかけるのも有効。決して石を投げたり、走って逃げないようにしてください。(トレランは要注意です。)
・それでも近づいてきたら、帽子、手袋、ジャケットなどを地面に置き、クマが注意を逸らしている間に速やかに離れる。(食べ物を決して置かないこと)